ストレス・メカニズムの解明とストレス・コントロールに関する研究

keywords.jpgストレス・メカニズム,ストレス・コントロール,行動療法,音楽療法,癒し 

岩永 誠 

MAKOTO IWANAGA

division.jpg総合科学研究科 総合科学専攻 行動科学講座

position.jpg教授

研究概要

研究の背景

1998年以降14年間連続して自殺者が3万人を超え,現在は3万人を下回っているとは言え,未だに高い自殺率を維持している。自殺に関連する危険因子の1つにうつ病があり,心の問題への対応が急務である。心の問題を引き起こす最大の原因はストレスであり,いかにストレスを効果的にコントロールするかが重要な課題となっている。ストレスを喚起する状況の操作が可能であれば問題ないが,職場等では仕事の負荷を軽減することが難しいため,労働者個人のストレスコントロール能力を高めることが重要な課題となっている。

研究内容

現代社会のストレスは、自殺・過労死・引きこもり・いじめ・不登校・出勤拒否などさまざまな社会病理として現れている。どのような原因によってこうした病理的行動が引き起こされているのかについて、社会環境的側面と個人の脆弱性の観点から行動や心理の分析を行い、ストレス・メカニズムの解明を行う。
また、ストレスのコントロールを行うため,対処方略の有効性に関する研究,および行動療法および音楽療法の観点から基礎研究を行っている。

成果

(1)ストレスを喚起させやすい個人特性として,タイプA行動や防衛的悲観主義の検討を行った結果,両個人特性はともに生産性は高いものの,それを規定している要因として,タイプA行動は達成動機が,防衛的悲観主義は他者承認欲求や失敗回避動機が関連しており,個人特性によって対応の仕方を変えなければならないことを明らかにした。
(2)ストレスを低減するための対処方略の有効性を調べるため,対処方略の種類とそのストレス低減効果の検討を行った結果,自分で解決できる状況では問題焦点型対処を,解決不可能な状況では情動焦点型対処を採用するという,対処の柔軟性がストレス低減に有効であることを明らかにした。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

・企業や組織におけるストレス評価、個人のストレス評価とそれに対する適正なストレス・コントロールについて関心がある企業との共同研究等が可能である。
・音楽の人に及ぼす効果に関する研究に関して,企業・研究所等との共同研究が可能である。
応用分野
企業等でのストレス管理,音楽的環境の管理

本研究の特徴・優位性

自分の個性にあった対処の仕方を獲得することで,ストレス状況においても効果的に対処することができ,うまくストレスをコントロールすることができるようになるため,企業や組織における労務管理には有効である。

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著書:横山博司・岩永誠(監) ワークストレスの行動科学 北大路書房 2003
授賞:日本行動療法学会学会賞・内山賞 2008

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