酵母変異株を利用するS-アデノシルメチオニンの生産および作用機構の解析

keywords.jpg酵母,S-アデノシルメチオニン,S-アデノシルホモシステイン,変異株,細胞周期 

水沼 正樹 

MASAKI MIZUNUMA

division.jpg先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 分子生命機能科学講座

position.jpg准教授

研究概要

研究内容

S-アデノシルメチオニン(AdoMet)は、たんぱく質やDNAなど各種生体分子のメチル化反応のメチル基供与体として、細胞の増殖に必須の役割を果たしている。ヒトでは、AdoMetは肝臓病(肝硬変)、うつ病、骨関節症、アルツハイマー病さらにはガン等の各種疾患への効果が示されている。
 我々は、Ca2+による細胞周期制御機構を解析する過程で、S-アデノシルホモシステイン (AdoHcy) 加水分解酵素の遺伝子SAH1 における酵母の変異株を見出した。この中で、AdoMetは細胞周期制御に深く関与し、Ca2+による細胞周期G2期進行の阻害を解除することを発見した。この働き以外にも、AdoMetは細胞周期調節因子の制御を介して細胞周期G1期進行を一時的に阻害することを見出した。AdoMetが遺伝子発現および細胞周期に及ぼす影響を酵母で調べることにより、今後、ヒトにおけるAdoMetの生理作用解明の手がかりを得ようと考えている。
 また、我々が取得した酵母SAH1変異株(特開2005-261361)は、AdoMetを細胞内に高蓄積しているので、AdoMet生産株としても利用できる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

この分野に関心のある企業等との共同研究・受託研究は可能である。

応用分野
食品、医薬品

本研究の特徴・優位性

我々が取得した酵母SAH1変異株(特開2005-261361)は、AdoMetを細胞内に高蓄積しているので、AdoMet生産株として、サプリメントや食品などに利用できる。さらに、AdoMetは細胞外では不安定な物質であるが、SAH1変異株では高蓄積しているため、遺伝子あるいはタンパク質発現に対するAdoMetの作用を安定して調べることが可能である。

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'特開2005-261361、2. 特願 2007-201115                                                            主な論文: Involvement of S-adenosylmethionine in G1 cell-cycle regulation in Saccharomyces cerevisiae. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 101, 6086-6091 (2004)'

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