高速応答型感温性ゲルを用いた有機スラリーの化学的脱水

keywords.jpg化学的脱水プロセス,感温性高分子ゲル,有機スラリー,無薬注脱水,親・疎水転移 

迫原 修治 

SYUUJI SAKOHARA

division.jpg工学研究院 物質化学工学部門 化学工学講座

position.jpg教授

研究概要

研究内容

食品加工の工程などから出る排水(有機スラリー)中には,タンパク質やビタミンなどの多くの有用物質が含まれるが,難脱水性であるため,回収・再資源化が困難である。現在実施されている方法では,脱水助剤等の薬剤を添加する必要があり,再資源化した場合の用途やコスト面での制約が多い。また,加熱による濃縮脱水法では,薬剤の添加は必要ないものの,熱による有用物質の変質などが懸念される。
 このような問題を解決する方法として,温度変化に対して可逆的に親・疎水転移,言い換えれば膨潤・収縮する感温性ゲルを用いて,無薬注で有機スラリーを脱水するプロセスを開発している。このプロセスでは,まず低温(親水性ゲル)で被脱水物から化学的に吸水し,脱水する。脱水操作後,脱水物と吸水(膨潤)ゲルとを分離する。膨潤ゲルは加温(疎水化)によって離水させ,再利用する。これまでに,この新規な脱水プロセスの実用化に必要な,高速応答型の感温性多孔質ゲルの開発,ゲルの機械的強度向上のための支持体との複合化,脱水物とゲルとの分離法などを開発している。ゲルの再生は数十度の加温で可能なことからプロセス廃熱で十分であり,これが利用できる場合には省エネルギー的脱水法にもなる。

実用化に向けて(想定業界・用途、課題、企業への期待など)

・この研究に関心のある企業等との共同研究・受託研究は可能である。
・知見の提供,技術指導が可能である。
・このテーマに関する講演が可能である。

応用分野
各種スラリーの脱水,特に食品加工分野における脱水など

本研究の特徴・優位性

感温性ゲルによる脱水は化学的な脱水であり,脱水そのものにはエネルギーは必要ない。この点が,従来の機械的脱水と大きく異なる点である。また,無薬注で脱水を行えることから,脱水物の有効利用が図られる。

detailsubtitle3.jpg

'特開2003-103166 論文: 後藤健彦,迫原修治;「複合化感温性多孔質ゲルを用いた有機スラリーの濃縮」,ケミカルエンジニヤリング,49, 859-86

お問い合わせ