大気圧プラズマビームを用いた超高速・高温熱処理技術
大学院先進理工系科学研究科 東 清一郎 教授産業分類 : 製造業
アピールポイント
● 従来レーザープロセスのコスト大幅低減
● 従来プラズマに対し高パワー密度・大面積処理可能
● 半導体基板、ガラス素材、フィルム素材、鉄板の局所的、極表面熱処理
アピールポイント
● 従来レーザープロセスのコスト大幅低減
● 従来プラズマに対し高パワー密度・大面積処理可能
● 半導体基板、ガラス素材、フィルム素材、鉄板の局所的、極表面熱処理
研究者のねらい
従来の大気圧・高エネルギー熱プラズマに対しワーク表面でのパワー密度が格段に高く、また磁場走査で大面積処理を可能にすることを特徴とする熱プラズマジェットを用いたミリ秒高温熱処理技術。レーザーを用いた熱処理と同程度の高パワーを10分の1以下の装置コストで実現可能で、レーザーと異なり被熱処理物が透明であっても熱処理可能。半導体中の不純物活性化や、耐熱性の低い基板の瞬間過熱による極表面熱処理等の電子ディバイス分野での応用に加え、ガラスやフィルム素材、鋼鈑の局所的、または極表面のみの熱処理技術等、これまで実現できなかった応用の仕方も期待できる。
研究内容
1万度程度のプラズマジェットを大気圧下で発生させ、これを被熱処理物にミリ秒程度の短時間照射することによって、被処理物の表面(数10ミクロン)のみを選択的に1000℃以上の高温で熱処理することを可能にした。このプロセスの応用例としてガラス基板上の非晶質Si膜を同技術により熱処理し、多結晶化したSi膜をもちいて薄膜トランジスタ(TFT)を作製したところ、電界効果移動度61(cm2V-1s-1)、閾値電圧3.4(V)の良好なトランジスタ特性を得た。
備考
【特許】特願2019-118679 表面処理装置
【学術論文】“Large area annealing by magnetic field scanning of atmospheric pressure thermal plasma beam,” Jpn. J. Appl. Phys., 59, (2020) SJJF01-1.