大気圧プラズマによる無機薄膜の常温常圧製膜

大学院先進理工系科学研究科 長澤 寛規 助教産業分類 : 製造業

産業分類 : 製造業

アピールポイント

 ● 常温常圧でシリカやチタニアをはじめとする無機薄膜を高速製膜可能
 ● ドライプロセスかつワンステップでの製膜が可能で産業応用に好適
 ● 分離膜や表面保護膜,光学薄膜など様々な分野への応用が可能

アピールポイント

 ● 常温常圧でシリカやチタニアをはじめとする無機薄膜を高速製膜可能
 ● ドライプロセスかつワンステップでの製膜が可能で産業応用に好適
 ● 分離膜や表面保護膜,光学薄膜など様々な分野への応用が可能

研究者のねらい

常温常圧で高活性な場を形成する大気圧プラズマは,ナノ材料や超薄膜の合成場として近年注目されている.プラズマ中の活性な粒子により化学反応を促進することで,室温近傍の低温でもシリカやチタニアをはじめとする無機薄膜の製膜が可能である.プラズマ源として大気圧プラズマを採用することで,従来のプラズマプロセスのような高真空を必要とせず,常温常圧での操作が可能となる.我々は大気圧プラズマを用いたCVDプロセスを構築し,シリカやチタニアからなる分子ふるい膜や表面保護膜の開発に取り組んでいる.

研究内容

アルゴンや窒素を放電ガスとする大気圧プラズマの後段に無機薄膜の原料となる金属アルコキシドを導入し,プラズマ中の活性な粒子により化学反応を促進することで,常温常圧で無機薄膜を製膜可能な大気圧プラズマプロセスを開発した.多孔質基板上にシリカ層を形成することで,水素や二酸化炭素の分離に有効な分子ふるい膜の製膜に成功している.また,高分子基材上にチタニア層を形成することで,高分子の紫外線による劣化を防止する紫外線遮蔽膜の製膜も報告している.大気圧プラズマCVDは,常温常圧で様々な機能性薄膜を製膜可能な技術であり,原理的に完全開放系での製膜も可能であることか,工業規模の製膜技術として適している.

備考

【論文】Nagasawa H, Yamamoto Y, Tsuda N, Kanezashi M, Yoshioka T, Tsuru T: J. Membr. Sci., 524, 644-651 (2017). Nagasawa H, Xu J, Kanezashi M, Tsuru T: Mater. Lett., 228, 479-481 (2018).
【知財】特開2017-131849
お問合せ:
広島大学産学連携推進部 (techrd@hiroshima-u.ac.jp)
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