切削条件選定のための工具ー被削材間凝着の評価法

大学院先進理工系科学研究科 關谷 克彦 助教産業分類 : 金属製品製造業

アピールポイント

 ● 勘と経験からの解放
 ● 加工状態の把握や理解が容易
 ● 比較的簡便な方法

アピールポイント

 ● 勘と経験からの解放
 ● 加工状態の把握や理解が容易
 ● 比較的簡便な方法

研究者のねらい

切削抵抗の動的成分や,仕上げ面の断面形状と工具形状との差に着目すると,従来判断基準が明確でなかった工具―被削材間の凝着状態を評価できることを見出した.切削条件の選定にあたっては,できる限り凝着を避けた条件設定が肝要なため,評価結果から適切な切削条件を「勘と経験」に頼ることなく選定することが可能となる.切削抵抗測定や仕上げ面の断面形状測定は,切削加工上の基本データとして取得されることが多く,これらの基本データを分析することによって,各切削条件下の凝着状態を評価することができる.

研究内容

切削加工中に発生する工具と被削材間の凝着は,切削条件によっては不安定となる場合があり,これが切りくず流れを変動させ切削抵抗も変動する.また同時に凝着物の大きさも変動するので,仕上げ面の谷形状も変動する.切削加工の理想的な姿は,工具幾何形状が仕上げ面に転写されることであるため,谷形状と工具形状との差が凝着物による過切削部分となり,凝着物の大きさを示す指標となる.従って,なるべく切削抵抗と谷形状が安定しており,凝着物の大きさが小さい切削条件を選定すれば,適切な切削条件が選定できたことになる

備考

論文:「切削抵抗動的成分による工具―被削材間の凝着性評価」精密工学会誌,vol. 76 (2010),926
   Stability of the Work Material Adhering to the Cutting Edge in Interrupted Turning of an Austenitic Stainless Steel, Proc. 19th ISAAT, 2016, 238-243
受賞:2010年度精密工学会論文賞
お問合せ:
広島大学産学連携推進部 (techrd@hiroshima-u.ac.jp)
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